第二新卒とは?メリット・転職時のポイント
目次
第二新卒とは
第二新卒の定義
第二新卒とは、一般に「大学・短大・専門学校・高等学校を卒業と同時に就職した後、入社3年以内に転職活動をする人」を指します。ただし第二新卒という言葉自体に明確な定義はなく、解釈は転職サイトや企業、辞書などによって違いさまざまあります。
そのため大まかに「大学などを卒業した後に、正社員として勤めた経験がある若い年齢層の人々」と理解しておくと良いでしょう。また、第二新卒は社会人経験がある若手のことを指すため、社会人経験のない新卒とは明確な違いがあります。
いつまでか
第二新卒の定義自体がやや曖昧なため、いつまでが第二新卒だという明確なラインはありませんが、一般的には25~26歳くらいまでの若者を指すことが多いと言えます。
しかし、近年では第二新卒として見なされる年齢も広がってきており、株式会社リクルートの意識調査でも「第二新卒は30歳まで」と回答した企業が21.3%もありました。そういった意識の変化も踏まえると、20代半ばの転職活動では第二新卒としてフレッシュな印象を持たれやすくなると考えて良いでしょう。
第二新卒に多い転職理由
第二新卒向けの転職サイト「Re就活」の調査によると、第二新卒に多い転職理由は下記の通りです。
- 給与や年収をアップさせたい
- やりがい・達成感のある仕事をしたい
- 自身の市場価値を高めたい
- 残業を減らしたい・休日を確保したい
- 風土の合う会社で働きたい
特に「給与や年収をアップしたい」「やりがいのある仕事をしたい」と考える人の割合は、他の転職理由と比べてずっと多く、上を見てキャリアアップを目指している第二新卒の若手が多くいることがわかります。
20代後半ともなると任される仕事や後輩も増え、責任も増してきます。そうした環境から今後のキャリアについて深く考えるようになり、キャリアアップの一環として転職活動をする人が増えてきたのだろうと考えられます。
また近年の転職に関する意識の変化としては、コロナ禍で転職意欲が高まっている人が増えたことが特徴と言えます。人材紹介事業を展開するUZUZの調査によると、およそ3人に1人の第二新卒が「コロナ禍において転職意欲が高まった」と回答しているとのことです。コロナ禍をきっかけに自身の働き方やキャリアプランを考えはじめた人が多い証拠と言えるでしょう。
第二新卒のメリット・デメリット
メリット
転職を考える20代にとって第二新卒として企業に見てもらえることはメリットが多くあります。
採用企業側から見たとき、第二新卒の若者は社会人経験を積んでいるため、基本的なビジネスマナーやビジネススキルを備えており、入社後の研修期間も短く済む傾向にあります。第二新卒は新卒と比べて即戦力の人材として見てもらいやすいと言えるでしょう。
一方、十分な経験を積んできた30代と比べると、第二新卒はまだまだフレッシュであり染められておらず、転職先の風土にも馴染みやすいことが期待できるため、企業側からもフレッシュさやポテンシャルを評価してもらいやすい時期だとも言えます。
30代の転職では経験や実績、スキルなど、具体的な能力が求められる傾向にありますが、第二新卒であれば熱意やポテンシャルが評価され、未経験の業界や職種に飛び込むことが可能なケースも多くことも特徴です。
程よいビジネス経験とフレッシュさを求める企業と、新たなスタートを切りたい若者にとって、第二新卒という時期は双方にメリットがある絶妙な期間だと言えるでしょう。
デメリット
一方、第二新卒にもデメリットはあります。やはり最大のデメリットは「一度早期に会社を退職してしまっている」という点でしょう。企業側は長く働いてくれる従業員を求めているため、採用してもすぐに辞めてしまうのではないかと勘繰られてしまうことは、第二新卒にとって大きなデメリットになります。
こうした企業側の不安を解消するためには、面接では前向きな姿勢や熱意を見せ、自身の将来のビジョンや転職理由といかに転職志望先が合致しているのかを伝える努力をすると良いでしょう。そのためにも、自身のキャリアについてじっくり向き合う「キャリアデザイン」を事前に行っておくのも良いでしょう。
また、第二新卒のもうひとつのデメリットとして「経験不足」があげられます。第二新卒はどうしても現場での経験が浅いため、ビジネスマナーは覚えられても、専門的なスキルや知識までは身に付けようがありません。そのため、企業が即戦力の人材を求めていた場合、採用されにくいことが想定されます。こうしたミスマッチを防ぐためにも、第二新卒を積極的に採用している企業や求人を探すと良いでしょう。
第二新卒の転職市場での需要と評価
転職市場の推移
さまざまな面で評価されやすい第二新卒ではありますが、純粋な新卒採用と比べるとやはり市場は小さく、企業からの評価も一歩劣ると言わざるを得ません。しかし近年、第二新卒の転職市場が拡大してきているのもまた事実です。
リクルートキャリアが2020年に発表した「転職市場の動向データ」によると、同社の転職支援サービスで転職に成功した20代の第二新卒の数は、2018年までの5年間で2.4倍に増加しており、20代前半に至っては3.8倍以上に増加したとのことです。
また、2020年はコロナ禍で転職市場が一時的に冷え込みましたが、2021年になると一部業界ではコロナ以前よりも積極的に採用を進めているケースも多く見られ、第二新卒や20代の採用数も回復してきていると言えます。
第二新卒の需要と評価
「第二新卒のメリット・デメリット」の章でお伝えした通り、社会人経験があることとフレッシュなことから第二新卒の評価は高く、20代の転職が一般化したこともあり企業は積極的な採用を行っています。先述のように短期間で退職してしまっているという弱点をうまくカバーできれば、さまざまな業界・業種にチャレンジできるチャンスがあると言えるでしょう。
第二新卒が転職する際の3つのポイント
前向きな姿勢を示す
先述のように、第二新卒はすぐに辞めてしまうのではないかといったネガティブな評価を受けてしまいがちです。そのため面接を受ける会社に対して前向きな姿勢を示すことが大切です。「なぜ一社目を辞めるのか(現職では達成できない構造的な問題があるのかどうか)」「入社後にどんな仕事をしたいのか」「前職の経験を活かしてどう取り組むか」などを具体的に伝えましょう。
熱意やモチベーションを示す
第二新卒はまだまだ経験が不十分であり、特に専門的なスキルや知識は足りていないことが多いはずです。第二新卒を採用している企業は即戦力を期待しているわけではありませんが、入社後に積極的に学び、吸収し、成長できる人材であることは求めています。
そのため熱意やモチベーションを面接で示すことが必要です。転職志望者にとっては内定・入社がゴールになりがちですが、企業にとっては入社がスタートラインです。入社後に一生懸命に取り組んでくれるフレッシュで熱心な人材であることは重要な要素だと言えるでしょう。
入社意欲や将来の展望を伝える
入社がスタートラインならば、当然その先にある未来にも企業は興味を持っています。第二新卒で転職した若者が入社後にどのように取り組んで、将来どのような人材に成長するのかを知りたがっています。
そのため、明確なビジョンを持って「将来どうしたいのか?」「将来どうなりたいのか」を伝えることが大切です。面接を受ける会社を研究して業務内容などを理解しておくことはもちろん、自身のキャリア観を棚卸しするキャリアデザインなども行い、具体的な将来像を示せるようになっておくと良いでしょう。
第二新卒に強い転職サイト3選
リクナビNEXT
https://next.rikunabi.com
リクナビNEXTは会員数1,000万人を超える日本最大級の転職サイトであり、求人検索を行う際に「第二新卒」で絞ることができるため、第二新卒で転職を考える際には必ず登録しておくと良い媒体です。求人数が豊富で限定求人もあり、スカウトなどの仕組みもあるため、さまざまな企業と出会える可能性があります。
マイナビ転職
https://tenshoku.mynavi.jp
マイナビ転職は若手採用に強く、未経験可能な求人なども豊富に取り扱っています。大手サイトで会員数が多く、全国の求人を扱っており、アプリダウンロード数もNo.1であるなどを公式サイトで謳っています。転職サイトでは複数の媒体に重複して登録する企業も多いため、求人掲載数が多い大手はひとまず登録すると考えて良いでしょう。
Re就活
https://re-katsu.jp/career
Re就活は20代・第二新卒専門の転職サイトです。未経験の求人が多く、20代専門実績No.1を謳っています。求人掲載企業も第二新卒を採用するつもりで求人を掲載しているため、第二新卒での転職を考えている場合はマッチングする可能性が高いと言えます。第二新卒として転職をする際は登録しておくと良いサイトと言えるでしょう。
まとめ
第二新卒はさまざまな理由から一度会社を退職することになってしまったものの、ビジネス経験やポテンシャルを企業に評価してもらいやすい期間だと言えます。30代以降の転職では、なかなか業界や職種を変えることが難しく、年齢を重ねるごとに徐々に転職が困難になっていく傾向にあります。新卒で入った会社で自身のキャリアデザインが構造的に達成できないのであれば、別の業界や企業にチャレンジする機会として、第二新卒を前向きに捉え、踏み出してみるのも良いでしょう。本稿が悩める第二新卒の若者の一助となれば幸いです。
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