キャリアアップに向けた転職エージェントとの良い付き合い方
転職エージェント(人材紹介)とは
キャリアコンサルタントが、候補者の方と面談をして、その方に合った求人を紹介してくれるサービスです。会社ごとに方針は異なりますが、求人紹介だけでなく、職務経歴書などの応募書類の準備や支援、面接対策(会社によっては同席も)、推薦文、入社条件等の交渉などフォローしてくれるので、転職経験の浅い方やキャリアアップをしたい方にはお勧めのサービスです。
転職エージェント(人材紹介)のビジネスモデルとは
まず、「転職エージェント」を深く理解するためには、ビジネスモデルを知っておく必要があります。転職エージェントは、簡単に言うと、企業から求人情報を獲得し、そこに合致する候補者を紹介し、入社したら理論年収(月次給与の12カ月分+理論上の賞与)の35%程度を報酬として企業から頂くモデルです。つまり、どれだけ紹介しても入社しなければ売上が立たないため、候補者が入社できるように職務経歴書等の書類ブラッシュアップや面接対策など、入社確度があがるための支援を「無料」でしてくれます。
転職エージェントを活用する実際の大半のケースは、キャリアイメージや転職したい企業・組織などの環境イメージが具体的に固まり切っていない場合です。自分の実現したい目的・コト・環境が大よそ決まっているものの、そこを叶えてくれる企業を網羅的には知らないというケースです。数社は知っていても、自分の見える景色の中だけで探すので、盲目的であり、本当は合致している企業を見れていない事は多々あります。事実、転職エージェントに紹介され、初めて知った企業に転職する方も多いです。
また、企業によっては、採用しているポジションをHP等では出さずに、転職エージェントにだけクローズドで出す場合もあります(いわゆる非公開求人)。募集ポジションを開示するということは、企業として足りない部分やこれから注力していく、いわば企業戦略も間接的に示してしまうことになってしまうため、オープンではなく信頼している転職エージェントのみに開示する場合もあります。
そのため、明確に行きたい企業は決まっていないが、行きたい「企業像」のみある場合には転職エージェントを使うことをお勧めできます。転職エージェントと面談すれば、希望条件にあった求人票を貰えるので、その中で、本当に行きたい企業を見つけていくことが出来るからです。
転職エージェント(人材紹介)との良い付き合い方とは
ただ、上述したように、転職エージェントは入社決定によって報酬を得るモデルであるため、構造的に入社決定させることに重心が置かれます。もっと言うと、候補者が行きたい企業ではなく、「入社できそうな企業」を紹介し、「そこに決定させる」という事が起こりうる環境が構造的にはあります。もちろん、真に顧客に向き合い、行ける企業ではなく行きたい企業への支援をしてくれる方も大半ですが、転職エージェントのビジネスモデル上、構造的な問題があることを認識した上で、上手く付き合っていく必要性があると考えていただけると、良い付き合い方が出来ると思います。
「転職エージェントとの良い付き合い方」をするためには、「転職エージェントは複数会社・複数人に会い、自身に本当に向き合ってくれるエージェントを見つける」と「紹介企業について、深く知っているかどうかを見極める」が重要なポイントです。
転職エージェントを活用する人でも、1社しか使っていない人がいます。それも、相性が悪い人だと分かっていても、変更するのは良くないと思い、1社に固執する場合もあります。
これは、1社である必要はなく、むしろ多くの会社や人にあった方が良いと考えます。転職エージェントといっても、会社によって強い領域や面談スタイルも異なります。転職先企業選びと同じくらい、自身の転職に伴走してくれるエージェントを探すべきです。
その上で、自身に本当に向き合ってくれる転職エージェントで、転職ミスマッチを防ぐためにも、紹介企業について深く知っているかどうかを見極める方が、納得度の高い転職が出来ると考えます。
もし、以下のケースに当てはまる場合には、付き合うべき転職エージェントを変えることを検討してみてもいいかもしれません。
面談時
- あなたの意向を聞くのではなく、紹介企業や転職についてだけ説明する
- 意向ヒアリングでは、自分の想いやキャリアではなく、経歴やスキルばかりを聞いてくる
求人票紹介時
- 自分の意向にマッチしていない企業ばかりを紹介してくる
- 質よりも、とにかく量を紹介する
- 求人票にある企業について、仕事内容やカルチャーなどを聞いても、ほとんど答えらず、企業を知らないまま紹介している
応募~転職支援時
- 職務経歴書のブラッシュアップや面接対策などをしない
- 期限を切り、とにかく応募することだけをプッシュしてくる
あなたにあった転職エージェントを選ぶ必要があります
転職エージェントといっても、会社によって大きく方針が異なりますので、エージェント別にどういう方が向いているか、個別に書いていきます。
紹介サービス
- ビズリーチ(スカウト型)
- doda(総合系エージェント)
- JACリクルートメント(日系大手、外資向け総合系エージェント)
- アクシスコンサルティング(コンサル特化、ブティック系エージェント)
- BNGパートナーズ(ベンチャーCxO特化、ブティック系エージェント)
■ビズリーチ(スカウト型サービス)
ビズリーチは、年収600万円以上のかたに1番支持されている転職サービスです。
特徴的なのは、レジュメを登録するとその経歴に関心を持った、エージェントや企業からスカウト型で連絡が来ますので、興味がある場合のみ具体的に話が出来るという点です。
そのため、すぐの転職は考えていない方も登録はしておく事で、マーケットの変化や良い機会との接点が持てるので、キャリアアップを志向されている方は登録しておく事をお勧めします。
どういう方にお勧めか?
- 転職意向度:低い~高い(全方位)
- 志向性:キャリアアップしたい方、良い会社があれば転職したい、自分のキャリアで行ける会社などを知りたい
- キャリア:年収600万円以上の方
- 職種:ビジネス~エンジニアまで(全方位)
スカウト型サービスを使いたいものの、若手や年収ゾーンが届かない人にとっては、若手向けスカウトサービスの「Ambi」がお勧めです。
■doda(総合型エージェント)
転職者満足度No.1の転職エージェント。求人数は10万件と圧倒的に多く、全国主要都市にも拠点を構えているため、利用しやすい事がポイントです。総合系エージェントは、求職者にキャリアカウンセリングをするCA(キャリアアドバイザー)と、企業から求人を取ってくるRA(リクルーティングアドバイザー)に分かれているため、ここまで多くの求人を持てている事が特徴的です。 まずは、転職エージェントに相談したいと思う場合には、各業界・各職種を網羅的にカバーしているので、一度話を聞いてみることをお勧めします。
どういう方にお勧めか?
- 転職意向度:高い方向け
- 志向性:今の会社を離れて転職したい方、転職可能性がある求人を数多く見たい方
- キャリア:若手からシニアまで(全方位)
- 職種:ビジネス~エンジニアまで(全方位)
■ JACリクルートメント(日系大手、外資向け総合系エージェント)
ロンドン発祥の日経転職エージェントという事で、外資系、海外進出企業、国内大手企業へのネットワークが強く、業界・職種に精通している方がサポートしてくれる事が特徴です。国内大手や外資系企業への転職を考えている方は、一度情報交換も踏まえて相談してみることをお勧めします。
どういう方にお勧めか?
- 転職意向度:高い方向け
- 志向性:外資系企業、国内大手企業へのキャリアアップをしたい方
- キャリア:ミドル~エグゼクティブ
- 職種:ビジネス~エンジニアまで(全方位)
■アクシスコンサルティング(コンサル特化、ブティック系エージェント)
コンサルへの転職、もしくはコンサルからの転職(ポストコンサル)で有名なブティック系エージェントです。
コンサルでの転職活動においては、思考力やケース面接等、他業界とは異なる選考方法が存在しており、しっかりと対策をしておく必要があります。ブティック系エージェントであれば、面接対策はもちろんの事、クライアントであるコンサルファームの内情にも詳しいため、ズレのない転職活動をサポートしてくれるので、コンサルを目指している方にはお勧めです。
どういう方にお勧めか?
- 転職意向度:高い方向け
- 志向性:コンサルティングファームに転職したい方
- キャリア:若手からミドルまで(全方位)
- 職種:ビジネスサイドを経験している方が中心
■BNGパートナーズ(ベンチャーCxO特化、ブティックエージェント)
ベンチャー幹部転職特化型の転職エージェントです。
成長ベンチャーとのネットワークが強い事、そして求職者サポートの面でも、面接同席などをする稀有な会社です。
ベンチャー経営者を志す方は是非一度相談をお勧めします。
どういう方にお勧めか?
- 転職意向度:高い方向け
- 志向性:ベンチャー幹部になりたい方
- キャリア:ミドル~エグゼクティブまで
- 職種:ビジネス~エンジニアまで
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